オススメの小説と最近読んだ小説まとめ

おばんです、最近の週末の過ごし方が散歩して太極拳をして、家に帰ってからは料理をして本を読んで、とおじいちゃんのような過ごし方をしている田中です。

4月から会社に入って続いていた案件が終わり、めまぐるしい日々がひと段落したと思って気づけばもう11月も半ば。
にもかかわらずなんと家にはまだネット回線が引けていません...!!
知り合いには「え、ほんとにITの人なの?」とか煽られる始末ですが、よかったことが一つあって、小説を読む時間がとても増えました。
もともと本を読むのは別に嫌いじゃなかったんですが、気づけば忙しさからか読まなくなっていました。
そんな時ある友人に激しくオススメされた小説を手に取ってみると、ピッタリと自分の趣味に合っていて、同じ作者の小説を読んで読んで、自分が好きそうな作風・テーマがなんとなくわかると自然と食指が動くようになって電車の中や帰ってから寝るまで読みふけるようになりました。

そんな経緯があったので自分もいっちょオススメをまとめつつ、記録にもとどめておくかーという感じで書いてみます。
これを読んでなんとなく本を手に取ってくれる人が増えたら嬉しいし、「それ読んだよ!」って人は是非とも語りましょう。

オススメの小説

『君の膵臓をたべたい』(住野よる)

小説が好きで地味な高校生の主人公は、ひょんなことから闘病日記ならぬ『共病文庫』と名付けられた文庫本を拾うことになる。
そのあとすぐに『共病文庫』の持ち主がクラスで明るいグループにいるある女の子のものだと気付くけれど、彼女はそれを周りに隠していて。
ふと知り合いになった主人公は彼女に振り回されて–––という始まりのお話。

「よくある話だなあ」と最初は思っていたけれど、クライマックスが全然想像していたものと違くて不意打ちの衝撃が大きかったです。
「よくある話」と思いつつも、ユーモアもうまく織り込んであって調子よく読み進めることができました。
なにより!主人公と女の子の感情の行き交いに心をグッとつかまれてしまった。

綺麗な話だった。読んだあとにスっと温かい気持ちになる一冊。激しくオススメです。
これきっと理想形だよ、なにがとは言わないし言えないけどさ。
正直泣いた。

君の膵臓をたべたい

君の膵臓をたべたい

『また、同じ夢を見ていた』(住野よる)

「人生とは、–––」
主人公は賢い8歳女の子で、尻尾の短い小さな猫の友達と一緒に毎日年上の友達のところに遊びに行く。
それぞれの友達に今日あったことや、考えていることを話して日々を楽しく過ごしていく。
ある時学校で「幸せとは何か」ということを考える課題を出されて、そのことについていつものように年上の友達と話をしながら悩み考えていくというお話。
学校の友達の話、両親と夢の話、賢さや人間関係の話。
おばあちゃん、南さん、アバズレさん。三人の年上の友達(大人)と女の子との少し不思議のあるお話。

こちらは『君の膵臓をたべたい』と同じ住野よる先生の作品です。
女の子目線で話が進んでいくので、僕くらいの歳の人間が読むには少しきついなあと感じました。
なにせ小学生目線というと、小学校とか学校の友達だとかついつい遠い存在なので。
でもテーマはそこではなくて、「人生とはなにか」「幸せとは何か」。
僕が今23歳で、人生が歳をとるごとに進むのが早くなるという話を考えるともしかすると半分くらいまできているかもしれないけれど、自分が読むのにちょうどいいタイミングの本だったなと思いました。

20代にオススメかもしれません。歳をとるごとに味わい深い話に思います。すごく良い話だった...。
もうなんだろう、住野先生は僕に足りないものをこう、ボディブローのように浴びせてくるからハッとツラミと温かみを食らわしてくる。良さ。
正直泣いた。

また、同じ夢を見ていた

また、同じ夢を見ていた

『ストーリー・セラー』(有川浩)

複雑な思考をすればするほど脳が劣化してしまうという、致死性脳劣化症候群にかかってしまう作家の妻とそれを支える夫の話。
作家にとって生きることは考えて物語を作ることで、それが好きだから作家であって、二人のいろんな思い出や色々がある中で妻は小説を書かない人生を選べるだろうかというお話。

友人に勧められて、本読みマシーンになった本。
有川先生の本を読んだのはこれが初。図書館戦争シリーズは知っていたけれどシリーズ物以外にもこういう短編も結構出してるんだなぁと知りました。
一冊の文庫本の中に二本の短編が入っているんですが、二本目に入る時に「そういう話だったのか!」と一回。二本目を読み終わった時に「結局どっちがどっちなんだ!」と二回。一瞬混乱する本。w

夫婦、夫婦...。
いいなあ夫婦というのと、なかなかこんな極限状態になる人生なんて無いかもしれないけど、ふと自分が同じ状況に立った時に僕は折れないでいられるだろうかと。
でもそうなってでも一緒に居て支え合える関係というのは、いいよなあ。
正直泣いた。

『小説の神様』(相沢沙呼)

物語を紡ぐ意味を見失った売れない作家の男子高校生と、同い年の人気作家の美少女の話。
二人は担当編集の提案で小説を合作することになるけれども、彼女にはある秘密が。
彼女の言う"小説の神様"とは?合作の行方は?というお話。

結構キャラに寄った話に思って、読んでいる時にアニメのイメージが湧いてくる文章でした。
ものづくりをする人間にとって「わかる😯」の連続。
ものを作る苦しみと、苦しんでもそれでも作らなきゃいけないさらなる苦しみと。
陽向に生きる輝かしい人々と、じめじめと日陰を這う自分らと...。
そんな対比が本当に共感の連続で、そんななかでも作るものに対して込める願いは抑えられなくて。
人それぞれに異なる悩みがあってそれでも人は願いとともに成長して前に進んでいける。

勇気をもらえた一冊でした。
それでも僕はプログラムを書くことでしか前に進めないんだよッ...!
苦しくて残酷な現実の中で、明日の自分が泣かなくていいように。
正直泣いた。

小説の神様 (講談社タイガ)

小説の神様 (講談社タイガ)

まとめ

自分が読んでる本のテーマ性とかが結構偏ってるなって思う!
「人生」とか「幸せ」とか、それを考える上での「パートナー」とかいろんな後悔だとか。そんなキーワード多いよ!
そこを大切に思って恋い焦がれている人間だってことですね、わかります。
でもそういうのってお話と現実じゃ違うしなんか現実ツライってなりもするけd f:id:ktanaka117:20161113011100j:plain

ずっと小説を読んでこなくて、アニメ・漫画・映画とかばかりだったけれど小説の情報量と表現力はすごく良いと思う今日この頃です。
「これ映像とか絵に起こしたら絶対足りない!」とか「安易に映像化しないでくれ頼むからッ!」って思ってしまうようになりました。
本のおかげで良い生活を送れているように思います。作家先生方ありがとうございます。

あと気づきが二つ。
ひとつは本屋で「男子にオススメ 第1位!」とか「60万部突破!」とかの数字は結構アテになる。
「ちょっと気になるな」っていうのと、数字のある本はだいたい当たる。
ふたつには本屋さんのポップと本の並びが店によってすごく違う。
お店の前面に出す本が違くて、その立地での売れ筋とかもあるんだろうけどまわっていて感覚の合う本屋は本当に楽しい!
本屋デートとか楽しいのかもしれないですよね。(想像)

最近読んだ小説

オススメにあげなかった他に読んだ小説も良かった!

住野よる

君の膵臓をたべたい

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また、同じ夢を見ていた

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有川浩

植物図鑑 (幻冬舎文庫)

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図書館戦争 図書館戦争シリーズ (1) (角川文庫)

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図書館内乱 図書館戦争シリーズ (2) (角川文庫)

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図書館危機 図書館戦争シリーズ (3) (角川文庫)

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図書館革命 図書館戦争シリーズ (4) (角川文庫)

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相沢沙呼

小説の神様 (講談社タイガ)

小説の神様 (講談社タイガ)

三秋縋

七月隆文

加納新太